溶連菌感染症

 

溶連菌感染症とは?

A郡β溶血性連鎖球菌(以下、溶連菌)によって起こる感染症です。

溶連菌はのどや皮膚などに侵入しやすく上気道炎、扁桃炎、しょう紅熱、リンパ節炎などの様々な病気の原因となります。また、二次的にリウマチ熱や、急性糸球体腎炎などを起こす病原菌なので、その発症を予防するために適切な診断と治療が必要です。

乳児には少なく、6~12歳の学童に多く見られます。
冬~春に好発し、患児や保菌者(菌を持っていても症状のない人)から飛沫感染します。

症状は?

・6ヶ月~3歳の乳幼児では、微熱、鼻水、食欲低下などの軽い症状です。
学童では、突然の高熱、のどの痛みが出現し、首のリンパ節も腫れ、イチゴ舌(舌乳頭が腫れてブツブツしイチゴのように見える)や発疹が見られることもあります。

発熱、のどの痛み、イチゴ舌、全身の発疹(細かい発疹で治りかけにはカサカサとして皮膚がむけてくる)のそろった溶連菌感染症は“しょう紅熱”と呼ばれていましたが、最近ではこのような典型例が少なくなっています。

その他の症状では・・・
溶連菌が皮膚に感染し、とびひ(伝染性膿化症)の原因となることもあります。

合併症はあるの?

溶連菌感染症を無治療で放置したり、治療が不十分な場合には、その後2~3週の潜伏期の後、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を発症することがあります。

■リウマチ熱
溶連菌感染後に起こる病気で、心炎、多関節炎、輪状紅斑、皮下結節などを認め心臓弁膜症の原因にもなります。

■急性糸球体腎炎
溶連菌感染後に起こる病気で、血尿、浮腫、高血圧を認めます。

抗生剤の使用で激減

これらの合併症は、抗生剤が使われる前までは、とても多く見られました。
現在60歳以上の人の心臓弁膜症の多くは、この溶連菌によると言われています。

診断と治療

合併症を予防するためにも適切な診断と治療が必要です。
典型的な症状があれば、診察のみで診断もある程度可能ですが、ウィルスによる上気道炎の症状と区別のつかないことも多く、確定診断には溶連菌迅速診断を行う必要があります。

処方された抗生剤は、症状が良くなっても飲み続けて下さい。

抗生剤を飲むとすぐに症状が良くなるので、元気になると自己判断で抗生剤を中止してしまうケースもあるのですが、中断してしまうと、溶連菌を除去しきれなくて再発することもあります。
先に述べたリウマチ熱を予防するためには、処方された日数分を内服することが大切です。
また、抗生剤内服中に発疹が出た場合は、薬疹の可能性もあるので受診してください。

診断された翌日までお休みしましょう!
溶連菌は感染症です。
保育園、幼稚園、学校に行っている場合は、抗生剤服用後、24時間は感染力があるので、溶連菌と診断された翌日までお休みしましょう。

以前行っていた尿検査は中止しました。
溶連菌感染症後に腎炎が引き起こされる確率は、現在10万人あたり2~3人と低く、あえて尿検査を行う必要がないという考え方が標準となってきています。
十分検討した結果、当院でも溶連菌後の尿検査を中止致しました。
ご希望の方には、これまで通り検査を行ってまいりますのでご相談下さい。

抗生剤を2日飲んでも熱が下がらない時は必ず受診して下さい。

当院内科はご予約不要です。

当院内科はご予約不要です。

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診療時間内に直接ご来院ください。

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